「家族信託」、「成年後見制度」、「相続」のどれかを選ぶときのポイントはタイミングになります。ご本人が生存中であるのかどうか、また、ご本人が生存中であっても正常な判断ができる状態にあるのかどうか、それによって選べる制度が異なってくるからです。
- ご本人の生存中:
この場合は、「家族信託」か「成年後見制度」における“任意後見制度”が選択できます。“任意後見制度”では、ご自身の生前中のご自身の財産の取扱いについて決めておくことができます。なお、ご本人の死後の葬儀や埋葬に関する事務に限定してその事務処理を任意後見制度における任意後見人に任せることができます。
一方、「家族信託」では、ご自身の生前から死後に至るまで、ご自身の財産の取扱いについて決めることができます。
- ご本人が生存中であっても、正常な判断ができない状態:
この場合は、「成年後見制度」における“法定後見制度”しか選択ができなくなります。“法定後見制度”が適用されると、ご本人の生存中は、民法の定めにしたがい、ご本人のためにご本人の財産や権利を維持管理されることになります。
- ご本人の死後:
- ご本人が生存中に、ご自分の死後の財産の取扱いを決める場合:
この場合は、「家族信託」または「相続」における“指定相続”が選択できます。
- ご本人の死後に、ご本人の死後の財産の取扱いを決める場合:
この場合は、「相続」における“法定相続”しか選択ができなくなります。
また、どの制度を選択するかの前提として、「誰のためにその制度を採用するのか」という点も大きなポイントになります。
なお、それぞれの制度の詳細については、各制度に関するQ&Aをご確認ください。