2020年9月24日
遺産分割の場合は遺産分割時の時価,遺留分減殺請求の場合は相続開始時の時価になります。
不動産は一物四価といわれており、次の4つの価額で評価されます。
また、不動産を売買する時期によっても不動産の評価額が変わってきます。 このような場合、相続人の間で合意をすればいずれの金額をもって評価しても問題はありません。
したがって、まずは相続人の間で協議をして、不動産の評価について合意を目指す方法が望ましいです。不動産評価費用は相続財産から支出することが多いと思いますが、当事者である相続人が合意することで、不動産鑑定の費用を節約することが可能になります。
不動産の評価について合意できない場合、裁判所では不動産の鑑定をすることになります。不動産の鑑定は時価評価となりますが、遺産分割と遺留分減殺請求では評価の基準時が異なっています。この点、評価の基準時が一律でないことになりますので注意が必要です。
遺産分割調停や遺産分割審判の中で、特別受益(相続人が、被相続人から生前に贈与を受けていたり、相続開始後に遺贈を受けていたり、被相続人から特別な利益を受けていること)が争いとなっている場合、直近の時価と被相続人が亡くなった時点の時価の、2つの時価を鑑定評価する必要があります。
また、裁判所で作成する合意書にも当事者である相続人間の合意内容を記載した方が、将来の紛争防止につながります。