2019年11月15日
財産のほとんどが自宅の土地・建物である場合についてお答えします。
第一に、土地や建物を換金して分配する方法がありますが、自宅の売却ということになりますので転居が必要となってしまいます。
第二に、土地と建物を共同名義にする方法があります。共同名義ですと、持分が一部だけになっても自宅の不動産全体を使用することはできますが、固定資産税は各人に課税され、売却や処分の際にも全員の同意が必要であるため、おすすめできないケースもあります。
第三に、土地や建物を相続する人が他の相続人に金銭等を払う、代償分割があります。代償分割の利点として、遺産を分割することなく丸ごと相続できるほかに、相続税を減らせることもあります。
平成28年4月現在、相続税の減免措置の一つに小規模宅地の特例というものがあります。この特例を使うことで、故人と同居していた家族が自宅を相続する場合に相続税を下げることができるのですが、もし同居していなかった相続人が自宅の一部を相続した場合、その分には適用できないのです。
もっとも、代償分割では土地などを取得した相続人が他の相続人に多額の金銭を支払わなければならず、現実には支払いが滞って関係が悪くなってしまうケースもあります。そこで相続対策として、代償分割の資金のために生命保険に加入しておくということが考えられます。生命保険の保険金は相続財産には含まれず個人のものとされますので、他の相続人と分割することなく代償分割の資金に使用することができます。 遺言を残したり、場合によっては他の方法もご提案させて頂きますので、お気軽にご相談ください。