「成年後見制度」とは、本人の財産や権利などを守る目的で、本人のために選任された保護者(後見人)が、本人の財産や権利を維持管理することで、本人を支援する制度です。
「成年後見制度」には、“法定後見制度”と“任意後見制度”の二種類があります。
- “法定後見制度”とは、本人が、障害や認知症などによって正常な判断ができない状態となった時に、本人の家族・親族や利害関係者の請求に基づいて、家庭裁判所が本人の保護者となる後見人を定め、その後見人に、本人の財産や権利を維持管理することを委ねる方法です。
- “任意後見制度”とは、本人が判断能力を失っていない状態にある時に、本人の希望にしたがって後見人を定め、その後見人に、本人の財産や権利を維持管理することを委ねる方法です。
“任意後見制度”は、本人が判断能力を失う前に、本人が判断能力を失った後の、本人の生活、療養看護、財産の管理事務を委託することと、その事務に関する代理権を与えることを内容とする契約を、本人が委託者として受任者(任意後見人)との間で締結して委託するものです。
つまり、本人が正常な判断能力を失う前に保護者を選任するものが“任意後見制度”、本人が正常な判断能力を失った後に保護者を選任するものが“法定後見制度”ですが、ともに、本人の財産や権利の維持管理に係る事務が開始されるのは、本人が正常な判断能力を失ってからであり、事務を行うにおいては、家庭裁判所と密に連携して行っていくことになります。