2018年9月27日
構造上、それぞれ独立した区分にされている二世帯住宅の場合、2階に居住する長男は、その住宅のうち夫が居住の用に供していた1階では共に起居していません。そうすると長男は、夫と同居していた親族には該当せず、長男の取得した二世帯住宅の敷地については、小規模宅地等の特例の適用がありません。
なお、二世帯住宅の敷地に係る小規模宅地等の特例の適用にあたっては、
[1]住宅の全部を被相続人又はその親族が所有し、
[2]相続開始の直前において被相続人の配偶者又は被相続人が居住していた独立部分に共に起居していた相続人がいない場合
には、被相続人が居住の用に供していた独立部分以外の独立部分に居住していた者を、被相続人の居住用家屋に居住していた者に当たるものとして申告することを認める特例が設けられています。
しかし本問の場合、相続開始直前において被相続人(父)は配偶者(母)と同居しており、[2]の要件を満たさないことから、この特例の適用を受けることができません。
以上により、長男は被相続人(父)と同居していた親族に該当せず、長男が取得した宅地については小規模宅地等の特例の適用は認められません。
平成26年1月1日以降の相続については、この要件が緩和され、長男が相続しても別居ではなく、同居として扱われ、小規模宅地等の特例を受けることができます。