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遺言の内容は絶対に守る必要がある?遺言と異なる遺産分割は可能?条件や注意点を解説

「遺言書が見つかったけれど、その内容どおりに相続しなければならないのだろうか?」
相続が発生すると、このような疑問を持つ方は少なくありません。

実際には、
・「家族全員で話し合って別の分け方にしたい」
・「遺言書が作成された当時と家族の状況が変わっている」
・「相続税をできるだけ抑えられる方法で分けたい」
という理由から、遺言と異なる遺産分割を希望するケースもおおくあります。

結論からいうと、一定の条件を満たせば遺言書とは異なる内容で遺産分割を行うことは可能です。
しかし、自由には変更できるわけではなく、法律上の要件や税務・登記上の注意点もあります。

この記事では、遺言と異なる遺産分割が認められる条件や注意点、相続登記や相続税への影響まで詳しく解説します。

遺言書とは?法的効力を持つ重要な書面

遺言書とは、被相続人が亡くなった後の財産の承継方法について、自らの意見を記した法的な文書です。

たとえば、
・長男に自宅を相続させる
・配偶者に預貯金を相続させる
・孫へ財産を遺贈する
など、自分の意思で財産の承継方法を決めることができます。

有効な遺言書がある場合には、原則としてその内容に従って相続手続きを進めることになります。

遺言書は、
・相続人同士の争いを防ぐ
・被相続人の意思を実現する
・相続手続きを円滑に進める
という重要な役割を果たしています。

遺言と異なる遺産分割が必要なケース

実際の相続では、遺言どおりに財産を分けることが最善とは限りません。

税金を抑えたい場合
たとえば、
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
などを利用できる分け方に変更した方が、相続税を大幅に軽減できる場合があります。

現在の生活状況が変わっている場合
遺言書を作成した当時から
・家族構成が変わった
・介護をしていた相続人へ多く残したい
・実際に住んでいる人へ自宅を承継させたい
など、事情が変わっていることもあります。

不動産の共有を避けたい場合
遺言どおりに相続すると不動産が共有になるケースでは、
・売却できない
・修繕費で揉める
・次世代で権利関係がさらに複雑になる
など、多くの問題が発生します。

そのため、実務では共有をさけるために遺産分割を変更するケースも少なくありません。

遺言と異なる遺産分割はできる?

結論として、一定の条件を満たせば可能です。

もっとも、遺言書は被相続人の最終意思として尊重されるため、自由に変更できるわけではありません。

遺言書と異なる遺産分割を行うための条件

①遺産分割禁止の指定がないこと
遺言で一定期間の遺産分割を禁止している場合には、その指定が優先されます。
まずは、遺言書の内容を正確に確認することが重要です。

②相続人全員が合意していること
もっとも重要なのが、相続人全員の合意です。

ひとりでも反対している場合には、原則として遺言どおりに相続を進めることになります。
合意した内容は、後日のトラブルを防ぐためにも遺産分割協議書として書面に残しておくことが大切です。

③受遺者の同意が必要な場合がある
遺言で相続人以外へ財産を残す「遺贈」がある場合には、
・内縁の配偶者
・孫
・知人
・法人
などの受遺者の同意が必要になることがあります。

④遺言執行者が指定されている場合
遺言執行者が指定されている場合には、その関与や同意が必要となるケースがあります。
遺言執行者には、遺言内容を実現する権限が与えられているためです。

遺留分との関係にも注意

遺言があっても、
・配偶者
・子
・直系尊属
には「遺留分」という最低限保障された相続分があります。

たとえば、
「すべての財産を長男へ相続させる」
という遺言があった場合でも、他の相続人は遺留分侵害額請求ができる可能性があります。

遺言と異なる遺産分割を行る場合にも、遺留分へ配慮は欠かせません。

相続登記では注意が必要

特に不動産相続では、
「〇〇を長男へ相続させる」
という特定財産承継遺言の場合、登記手続きが問題になることがあります。

ケースによっては
・一度遺言どおりに相続登記を行う
・その後、遺産分割協議に基づいて登記を変更する
という流れになることがあります。

登記実務は事案によって判断が異なる場合もあるため、不動産が含まれる相続では司法書士へ相談することをおすすめします。

相続税・贈与税にも影響することがある

遺言と異なる分け方をした場合には、税金にも注意が必要です。

たとえば、
・相続人以外へ財産を移転した
・代償金を払った
・不動産を売却した

などの場合には、
・相続税
・贈与税
・所得税
・譲渡所得税
など、別の税金が発生する可能性があります。

また、
・配偶者の税額軽減
・小規模宅地等の特例
などの適用可否にも影響するため、税理士へ事前に相談しておくと安心です。

遺言を変更するかどうかは慎重な判断が必要

遺言は被相続人の最後の意思表示です。
そのため、変更できるからといって、安易に内容を変えることはおすすめできません。

一方で、
・家族の生活状況
・相続税対策
・不動産管理
・将来の二次相続
まで考えると、遺言どおりに進めない方が望ましいケースもあります。

法律・税務・登記が複雑に関係するため、自己判断ではなく、司法書士・税理士・弁護士などの専門家へ相談しながら進めることが大切です。

よくある質問(FAQ)

Q遺言書があれば遺産分割協議はできませんか?
いいえ、相続人全員の合意など一定の条件を満たせば、遺言と異なる内容で遺産分割協議を行える場合があります。

Q相続人の一人でも反対したら変更できますか?
原則としてできません。遺言と異なる遺産分割を行うには、相続人全員の合意が必要です。

Q遺言どおりに相続しないと税金は増えますか?
分割方法によっては、相続税の特例が適用できなくなったり、贈与税や譲渡所得税が発生したりする可能性があります。事前に税務面を確認することが重要です。

まとめ|遺言と異なる遺産分割は可能だが慎重な対応が必要

・遺言があっても、一定の条件を満たせば異なる遺産分割は可能
・相続人全員の合意が必要となる
・受遺者や遺言執行者の同意が必要な場合もある
・遺留分への配慮も欠かせない
・不動産がある場合は、相続登記の方法にも注意が必要
・相続税や贈与税など税務面への影響も検討する必要がある
・法律・登記・税務が関係するため、専門家へ相談しながら進めることが重要

遺言と異なる遺産分割は、家族の現状や税務上のメリットを踏まえて柔軟に対応できる場合があります。
しかし、その判断を誤ると、相続登記や税務手続きで思わぬ不利益が生じることもあります。円満な相続を実現するためには、法律と税務の両面を十分に検討し、必要に応じて司法書士や税理士などの専門家へ早めに相談することをおすすめします。




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