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贈与と相続はどう違う?生前贈与・死因贈与・遺贈との違いや贈与税の注意点を解説

「贈与」と「相続」は、どちらも大切な財産を家族や親族へ引き継ぐ方法ですが、その仕組みや法律上・税務上の取り扱いは大きく異なります。

近年では、相続対策や円滑な資産承継を目的として「生前贈与」を活用する方が増えています。しかし、制度を正し理解せず進めてしまうと、思わぬ贈与税や相続税が発生したり、相続人同士のトラブルにつながったりする可能性があります。

また、2024年以降の税制改正では、生前贈与加算の対象期間が延長されるなど、相続税対策を取り巻く制度も大きく変化しています。そのため、最新の制度を踏まえて対策を検討することが重要です。

今回は、
・贈与と相続の違い
・贈与契約が成立する条件
・生前贈与と死因贈与の違い
・遺贈との違い
・贈与税・相続税の注意点
・生前贈与を活用する際のポイント
についてわかりやすく解説します。

相続対策イメージ

贈与とは?「あげる人」と「受け取る人」の契約

贈与とは、ある人が別の人へ現金や不動産、株式などの財産を無償で譲る契約のことをいいます。
贈与は一方的に成立するものではありません。

例えば、
・「この現金あげます」
・「ありがとうございます。受け取ります」
というように、贈与者と受贈者双方の意思が一致して初めて成立します。

つまり、贈与は民法上の契約であり、「双方の合意」が必要になる点が最大の特徴です。

口約束でも贈与は成立する?

民法では、贈与契約は口頭でも成立するとされています。

例えば、
・「毎年100万円を渡す」
・「この土地をあげる」
・「車を譲る」
といった約束も、法律上は贈与契約として成立する可能性があります。

しかし、口約束だけでは後日、
・「そんな約束はしていない」
・「贈与ではなく預かっていただけ」
などのトラブルになることも珍しくありません。

さらに税務調査では、
・本当に贈与だったのか
・名義だけ変更しただけではないか
が確認されます。

そのため、贈与契約書を作成し、契約日・贈与額・署名押印を残しておくことが非常に重要です。

贈与と相続の最大の違い

贈与と相続の最も大きな違いは、「財産が移転するタイミング」です。

相続
相続は、財産を所有している人(被相続人)が亡くなった瞬間に法律上当然に開始します。
遺言が無い場合には民法の法定相続分に従い、遺産分割協議を経て財産を承継することになります。

贈与
一方、贈与は財産を渡す人も受け取る人も存在している間に行われます。
つまり、生前に自由なタイミングで財産を移転できる制度です。
将来の相続を見据えて計画的に資産を移転できることから、相続税対策として利用されることが多くなっています。

贈与には「生前贈与」と「死因贈与」がある

贈与には大きく分けて2種類あります。

生前贈与
生前贈与とは、贈与者が生きている間に財産を渡すことです。

代表例は、
・現金
・不動産
・株式
・投資信託
・自社株
などです。

近年では、
・教育資金
・結婚・子育て資金
・住宅取得資金
に関する特例制度も活用されています。

生前贈与で注意したい「名義預金」
生前贈与では、形式だけ贈与しても意味がありません。

例えば、
・子ども名義の口座へ入金しただけ
・通帳を親が管理している
・印鑑も親が保管している
このようなケースでは、税務署から「名義預金」と判断される可能性があります。

名義預金と判断されると、生前贈与として認められず、相続財産に加算される場合があります。

そのため、
・贈与契約書を作成する
・受贈者本人が管理する口座へ振り込む
・通帳や印鑑も本人が管理する
といった実態を伴わせることが重要です。

死因贈与とは?
死因贈与とは、
「自分が亡くなったらこの財産を渡します」
という契約を生前に結ぶ制度です。

死亡した時点で効力が生じるため、遺言とよく似ています。

しかし、大きな違いは、相手の承諾が必要な契約であることです。

贈与税は誰が払う?

贈与税は、
財産を受け取った人(受贈者)が納税義務者になります。
対象となる財産は、
・現金
・土地
・建物
・株式
・投資信託
・ゴルフ会員権
・貴金属
など幅広く含まれます。

贈与税には年間110万円の基礎控除がある

一般的な暦年課税制度では、
年間110万円まで
であれば贈与税は課税されません。

そのため、
毎年少しずつ財産を移転し、将来の相続税を軽減する方法として活用されています。

定期贈与と判断されるリスク
例えば、
毎年100万ずつ10年間贈与する約束を最初からしていた場合、
税務署から
「最初から1,000万円の贈与契約だった」
と判断される可能性があります。

これを定期贈与といいます。

このようなリスクを避けるためにも、
・毎年契約書を作成する
・贈与額を見直す
・贈与時期を固定しすぎない
などの工夫が必要です。

相続開始前の贈与は相続税の対象になることも

現在は税制改正により、生前贈与加算の対象期間が段階的に延長されています。
そのため、
「生前に贈与したから相続税はかからない」
とは限りません。

一定期間内の贈与については、相続財産へ加算して相続税を計算する必要があります。
制度改正は複雑なため、最新の税制を確認したうえで対策を進めることが重要です。

生前贈与だけが相続対策ではない

相続対策は、生前贈与だけで完結するものではありません。
状況によっては、
・遺言書の作成
・家族信託
・生命保険の活用
・不動産の整理
・納税資金の確保
などを組み合わせた方が、より効果的なケースもあります。

また、相続税だけでなく
・贈与税
・登録免許税
・不動産取得税
・譲渡所得税
など、さまざまな税金が関係することもあるため、総合的な視点で検討することが重要です。

専門家へ相談するメリット

生前贈与や相続対策は、ご家庭ごとに最適な方法が異なります。

税理士や司法書士などの専門家へ相談することで、
・税負担を抑えられる可能性がある
・相続トラブルを未然に防げる
・適切な契約書を作成できる
・将来を見据えた財産承継プランを立てられる
といったメリットがあります。

特に、不動産や自社株など評価が難しい財産がある場合には、早めの相談がおすすめです。

まとめ|贈与と相続の違いを理解して適切な相続対策を

贈与と相続は、どちらも財産を引き継ぐ制度ですが、その仕組みや税務上の取り扱いは大きく異なります。

・贈与は「あげる人」と「受け取る人」の合意によって成立する契約
・相続は被相続人の死亡によって法律上当然に開始する
・贈与には、「生前贈与」と「死因贈与」がある
・遺贈は遺言による一方的な意思表示で行われる
・贈与税には、年間110万円の基礎控除がある
・名義預金や定期贈与と判断されないよう実態を伴った贈与が重要
・生前贈与加算など最新の税制改正にも注意が必要
・相続対策は、贈与だけでなく、遺言書や家族信託、生命保険なども含めて総合的に検討することが大切

将来の相続トラブルや税負担を軽減するためには、制度を正しく理解し、ご自身やご家族の状況に合わせた対策を早めに始めることが重要です。財産承継でお悩みの方は、税理士や司法書士などの専門家に相談し、最適な方法を検討することをおすすめします。

相続、生前対策で不安やお困りのかたは、アミエルの無料相談をご利用ください。

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